午後のドラマ

 今日も学校行くかどうかをちょっと迷っていた。例のドラマを見るため結局行かなかった。明日で最終回だから。
 実は前に放送したときにちょっと見てましたけど、どうしても誘惑に断れなくてついつい。
 コトー先生を演じているのは吉岡秀隆で、見てるだけでほっとできる親近感がある。
 たぶん「北の国から」を最初から全シリーズを見ていたため、彼を小さい頃からずっといままで見続けてきたような気がする。
 特に格好いいわけでもないけど、何か隣家のお兄さんみたいで、温かい気持ちになれる。
 自分には兄弟居ないため、昔からかばってくれたり、遊園地に連れて行ってくれたり、 たまにも喧嘩したりしてくれるお兄さんが欲しかった。
 昔こういう感じの男友達も居たけど、結局男と女は本当の友情がないと証明された。
 
 最初に「北の国から」を見たのは大学時代の授業で、まだ日本語もよく分からなかったし、
 字幕もなかったけど、泣きっぱなしで見ていた記憶があります。
 そして授業が終わって教室から出てきた皆の目が真っ赤で周りの人達に「何、この集団?」っと変な目で見られた。
 でもあの時本当に懐かしい。好きなように泣いて笑って、周りに全然気にしなかった。
 真っ直ぐで負けず嫌いで、180人を一人で全般に管理していた先生のところに行って不満を言ったり、私のことを全然知らない学長の部屋に入って進路相談したり、好きな若い先生を遊びに誘ったり、いまでは考えられないほど馬鹿なことばっかりやっていた。
 ただ一つだけどうしても自分の口から言えないことがあった。
 中学校から大学までずっと好きだった人にどうしても自分から告白できなかった。
 言わなくても彼はなんとなく気付いていたと思うけど、当時は本当に何も求めずにただ彼が幸せで居て欲しいと純粋に思っていた。
 いまもたまには彼の夢を見る。でももう完全に好きな気持ちではない。ずっと昔から知っていたちょっと特別な一人の古い友達だけだ。
 いつか彼に昔話として喋っちゃおうと思ったこともあったが、いまさらって意味もないし、
 別に「ありがとう」って感謝されたくないからこのままずっと黙っていくことになるだろう。
 
 昔、ノートに日記を書いたら親に見られないように隠したり、処分したり、何か友達に見せられるけど、親に見せられないのが不思議に思ったこともあった。
 親しい人でいればいるほど、言えない事もあるだろう。
 もう今日はここでお休みする。